地球に魔力は存在するか — 実験の計画書(日本語版)
下書きです(2026年10月19日版)。本番のデータを集める前に書いた、実験の計画書(論文の前半)です。まだどこにも投稿しておらず、だれのチェックも受けていないので、これから変わることがあります。「まだ決まっていないこと」に書いた項目は未決で、参考文献は記憶で書いたもので、まだ元の論文と照らし合わせていません。
英語の論文の下書きを、むずかしい言葉を使わずに書き直したものです。まだ結果はありません。結果を見る前に「こう調べて、こう決める」を先に約束しておくための文書です。
まとめ
この実験では、人が念じると、機械が出すランダムな数字が偏るのかを調べます。
- 機械(物理乱数発生器)は、コイントスのように「0」と「1」をランダムに出し続けます。ふつうは、0と1がほぼ半分ずつ出ます。
- 参加する人は、サイトのボタンを押している間、「1が多く出るように」または「0が多く出るように」と念じます。どちらを念じるかは、毎回サイトがランダムに決めます。
- 「1が多く」と念じた回の数字と、「0が多く」と念じた回の数字をくらべます。念じた向きに偏っていれば、魔力があるかもしれない、ということになります。
- みんなで合わせて3億3300万個の数字(念じた時間の合計で約11.6時間)が集まったら、そこで判定します。
判定の基準は、「偶然では200回に1回も出ないくらいの差」です。3億3300万個集めると、「1が多く」と「0が多く」の1の割合に1万個に2個の差(昔の PEAR が報告したのと同じくらい)があれば、80%の確率で見つけられます。
30秒ごとに、だれも念じない回も自動で行い、機械そのもののクセを測ります。すべての記録は鎖のようにつながり、1時間ごとにビットコインに刻むので、あとから書きかえたり消したりできません。「魔力持ちは何%いるか」などのおまけの問いは、参考として調べます。
これまでの研究
念じて機械の数字を偏らせる実験は、50年以上前から世界中で行われてきました。でも、まだ答えは出ていません。
- アメリカのプリンストン大学の研究所(PEAR)は、12年間の実験で「1万個に1個くらい、念じた向きに偏った」と発表しました。
- ところが、ほかの3つの研究所で同じ実験をやり直すと、同じ結果は出ませんでした。
- 380の実験をまとめて調べた研究では、とても小さな偏りが見つかりました。でも「うまくいった実験だけが発表されたせいかもしれない」とも言われています。
つまり、偏りがあるとしてもとても小さいので、あとから都合よく数え直したり、悪い結果を隠したりできない実験が必要です。この実験は、そこをいちばん大事にしています。
そのために、この実験は次の5つを守ります。
- 全部先に決めておく。 問い、計算のしかた、基準、集める数、やめる場所、数えない回を、最初の挑戦の前に公開して固定します。
- 記録を消せない。 途中でやめた回もふくめ、始まった回は全部鎖につなぎ、1時間ごとにビットコインに刻みます。だれでも、書きかえ・削除・あとからの追加がないことを確かめられます。
- 機械のクセを打ち消し、測る。 「1が多く」と「0が多く」をくらべるので、機械にクセがあっても打ち消し合います。だれも念じない回で、クセそのものも測ります。
- 数字を加工しない。 加工すると本当の偏りまで消えてしまうかもしれないので、機械が出したままの数字を使います。
- 世界中から参加できる。 29の言語に対応しているので、1つの研究所や1つの国の人だけにかたよりません。
調べること
「魔力あり」かどうかを決めるのは、いちばん大事な問い(H1)だけです。ほかの問いは「おまけ」で、参考として発表します。
この実験でいう「魔力」は、「手で触る、熱、電気、音、振動など、知られている方法を使わずに、念じるだけで機械のランダムさを偏らせる力」のことです。
| 問い | 調べ方 | どうなったら | |
|---|---|---|---|
| H1(いちばん大事) | 「1が多く」と念じた回は、「0が多く」と念じた回より、1が多く出るか? | それぞれの全部の数字で1の割合を出してくらべる | 「判定のしかた」の表のとおり |
| おまけ S1 | だれも念じていないとき、機械そのものに偏りはないか? | だれも念じない回で H1 と同じ計算をする。また、1の割合がまん中(50%)からずれていないか見る | どちらも「偏りなし」になるはず |
| おまけ S2 | 「魔力はある」と思う人と、「ない」と思う人で、結果はちがうか? | 「ある」と思う度合いが 4〜5 の人と 1〜2 の人をくらべる | 参考 |
| おまけ S3 | 画面をずっと見ていた回だけだと、どうか? | その回だけで H1 と同じ計算 | 参考 |
| おまけ S4 | ボタンをしっかり押し続けた回だけだと、どうか? | 押していた時間が 80% 以上の回だけで H1 と同じ計算 | 参考 |
| おまけ S5 | 魔力持ちは、参加者の何%くらいいるか? | 10回以上挑戦した人ごとに偏りを出し、偶然では説明できない人の割合を推定する。だれも念じない回でも同じ計算をしてくらべる。参加者が30人以上いる国は国ごとにも出す | 参考 |
| おまけ S6 | 長く念じたほうが、偏りは大きいか? | 長い回と短い回をくらべる。また、全部の回を最初の3秒だけにそろえて H1 と同じ計算 | 参考 |
おまけの問いは6つあるので、偶然の当たりが混じりやすくなります。その分きびしくした基準での値も、あわせて発表します。
やり方
だれが参加できるか
サイトを開いた人は、だれでも登録なしで参加できます。29の言語に対応しているので、世界中の人が参加できます。ブラウザの Cookie で「同じ人」を見分け、「引き継ぎコード」を使えばスマホと PC などをひとり分にまとめられます。ニックネーム、住んでいる国、「魔力はあると思うか」(1〜5)は、答えたい人だけ答えます。
使う機械
サーバーに USB でつないだ物理乱数発生器を使います。機械が出した数字は、加工せずにそのまま使います。加工すると、本当の偏りまで消してしまうかもしれないからです。1秒に8000個の数字を読み、1秒ごとの1の数を記録に残します。なので、あとからだれでも同じ計算をやり直せます。機種はまだ決まっていません。
1回の挑戦の流れ
- 画面に「1が多く出るように」か「0が多く出るように」が出ます。
- 丸いボタンを押すと、3秒のカウントダウンが始まります。そのまま押し続けます。
- ボタンを押している間だけ、念じます。短くて3秒、長くて10分です。指を離す、ページを閉じる・別の画面にする、通信が5秒途切れる、のどれかで、その1秒の終わりに止まります。
- 結果を見る前に、「手ごたえ」を1〜5で答えます(20秒以内)。
- 結果が出ます。
60秒以内にボタンを押さなかったときは、「始まらなかった回」として記録されます(数字は読みません)。
どちらを念じるかは、測る機械とは別の乱数で、毎回半分ずつの確率で決めます。
だれも念じない回(対照試行)
30秒ごとに、だれも念じていない「からっぽの回」を自動で行います。念じる向きの決め方も測り方も、参加者の回と同じです。長さは、直前に終わった参加者の回と同じにします(まだなければ3秒)。これで、機械そのもののクセを測ります。また「1が多く」と「0が多く」をくらべるので、機械にクセがあってもその分は打ち消し合います。
ブロックとランキング
挑戦すると、その記録が「ブロック」として自分のブロック帳に入ります。
- レア度は念じた時間で決まります(レア 1分〜、エピック 5分〜、レジェンド 10分)。
- **★**は、偶然ではめずらしいほど念じた向きに偏った回につきます(★ 約44回に1回、★★ 約740回に1回、★★★ 約3万回に1回)。
- ランキングでは、念じた時間の合計と★の数をくらべます。
これらは楽しむためのもので、判定には使いません。ブロックにお金の価値はなく、売ったり買ったりはできません。ただし、「長く念じたい」など参加者のやり方に影響するかもしれないので、始める前からここに書いておきます。
判定のしかた
どこまで集めるか
みんなの挑戦を合わせて、数字が3億3300万個になったら集めるのをやめて判定します。念じた時間の合計でいうと約11.6時間です。使うのは、記録の順に並べて、合計がちょうど3億3300万個に届いた回までです(届いた回もふくみます)。それより後の回は判定に使いません。
途中の結果はサイトでだれでも見られます。でも、やめる場所は「3億3300万個」と先に決めてあるので、「いい結果が出たところでやめる」というズルはできません。
数え方
- 数字1個1個を同じ重さで数えます。なので、長く念じた回ほど判定への影響が大きくなります。
- 数えるのは、参加者が最後まで終えた回です。途中で指を離した回も、そこまでの分は数えます。
- 数えないのは、だれも念じない回、サーバーの故障で止まった回、始まらなかった回、練習期間の回です。
計算のしかた
「1が多く」と念じた回の数字を全部まとめて、1の割合を出します(pH)。「0が多く」と念じた回も同じようにします(pL)。その2つの差が、偶然でどれくらい出やすいかを、次の式で計算します。
z = p̂H − p̂L√p̂ (1 − p̂) (1/nH + 1/nL)
- pH、pL: それぞれの1の割合
- nH、nL: それぞれの数字の個数
- p: 両方を合わせたときの1の割合
z が大きいほど、偶然では出にくい差です。「1が多く」の方に偏っても、「0が多く」の方に偏っても調べます(両側)。
同じ人が何回も挑戦していても、この計算で正しく判定できます。魔力がなければ、だれが何をしていても、数字は1個1個コイントスと同じようにランダムに出るからです。
どうなったら「魔力あり」か
「1が多く」と念じた回と「0が多く」と念じた回で、1の割合をくらべます。その差が、偶然では200回に1回より出にくいほど大きければ、判定します。
| 結果 | 判定 |
|---|---|
| 念じた向きに、偶然では200回に1回も出ないほど偏った | 魔力あり |
| 念じたのと逆の向きに、同じくらい偏った | 逆向きの効果として発表 |
| それ以外 | 見つからなかった |
「200回に1回」は、ふつうの科学の実験でよく使われる「20回に1回」より10倍きびしい基準です。めずらしい主張には、きびしい基準が必要だからです。
どれくらい小さな効果まで見つけられるか
3億3300万個集めたとき、本当に効果があったら、それを見つけられる確率は次のとおりです。
| 本当の効果の大きさ(「1が多く」と「0が多く」の1の割合の差) | 見つけられる確率 |
|---|---|
| 1万個に1個 | 16% |
| 1万個に1.5個 | 47% |
| 1万個に2個(昔の PEAR と同じくらい) | 80% |
| 1万個に3個 | 99.6% |
集める数は、PEAR と同じくらいの効果を80%の確率で見つけられるように決めました。その半分くらいの効果だと、見つけられる確率は16%くらいです。はじめの下書きでは、前の作りから引き継いだ2億個にしていました。それだと PEAR と同じくらいの効果でも半分くらい(51%)しか見つけられないので、本番のデータを集める前に増やしました。
ルールを変えるとき
途中でルールは変えません。機械を取り替えるなどどうしても変えるときは、新しい「期」として最初からやり直し、変えた日と理由を公開します。理由は「結果が悪かったから」ではいけません。
期がいくつかに分かれたときは、それぞれの期の結果を、集めた数字が多い期ほど重くなるように合わせて判定します(基準は同じ「200回に1回」)。それぞれの期だけの結果も必ず発表します。
ズルができないしくみ
この実験では、運営者も含めてだれも記録をこっそり書きかえられません。
- 先に約束を公開する。 調べ方と判定のしかたは、最初の挑戦の前に公開します。そのファイルの「指紋」(ハッシュ)が全ページに出ているので、あとから変えるとすぐわかります。
- 記録を鎖のようにつなぐ。 どの記録にも、ひとつ前の記録の指紋が入っています。1つでも書きかえると、そこから後ろの指紋が全部合わなくなります。
- ビットコインに刻む。 1時間ごとに、いちばん新しい指紋をビットコインの記録に刻みます。これで「この時刻には、もうこの記録があった」と、だれでも確かめられます。
- 消さない。 途中でやめた回も、うまくいかなかった回も、全部記録に残します。サーバーの故障で止まった回だけは判定に使いませんが、記録は残して数も発表します。
練習期間と、安心して参加するために
いまは練習期間
2026年10月17日から、サイトを「本番前の練習期間」として公開しています。この間は本物の機械ではなく、テスト用の乱数で動いています。
練習期間の記録は、本番の判定には一切使いません。不具合や、わかりにくいところを見つけるためだけに使います。たとえば、ボタンを押した時点で始まるようにしたり、視聴者の意見をもとに説明の言葉をやさしくしたりしました。本番は、記録をゆろから作り直して始めます。
安心して参加するために
- いつでもやめられます。 参加は自由で、名前を出さずに参加でき、指を離すだけで止まります。ボタンを押して念じるだけなので、知られている危险はありません。
- だれかわかる情報は保存しません。 IP アドレスは、連打を防ぐために一時的に使うだけで、保存しません。国は自分で選んだものだけを使います。ニックネーム・国旗・アドレスのページは、本人が「公開する」を選んだときだけ出ます。サイトの通信は Cloudflare を通ります。
- お金は関係ありません。 ブロックや★、ランキングにお金の価値はなく、売ったり買ったりできません。
- 倫理の審査はまだ決まっていません。 外部の審査を受けるか、必要ない理由を書くかを、これから決めます。
- 運営しているのは Rioチャンネルです。 YouTube のチャンネルで参加を呼びかけています。お金の出どころは、これから書きます。
- AI を使っています。 サイトのプログラムとこの文書は、AI(Anthropic の Claude)に手伝ってもらって作りました。出す前に運営者がすべて確かめ、中身に責任を持ちます。日本語以外の28言語の訳も AI が作ったもので、まだその言葉を話す人には確かめてもらっていません。
まだ決まっていないこと
本番を始める前に、次のことを決めます。決まったら、英語版とこの日本語版の両方を直します。
- 1. 調べ方の約束(prereg.json、今は下書きの第3版)を確定させる
- 2. 使う機械(物理乱数発生器、今の第一候補は TrueRNGpro)と、つなぐコンピューターを決める。その機械のクセと速さを測って書く
- ✓ 3. 2026年10月19日に決めました:集める数は3億3300万個(念じた時間の合計で約11.6時間)。PEAR と同じくらいの効果を80%の確率で見つけられます。前の2億個だと51%でした。
- 4. 倫理の審査をどうするか決める(外部の審査を受けるか、必要ない理由を書くか)
- 5. 論文の出し先を決める。まず PsyArXiv に公開し、そのあと専門誌へ。Journal of Parapsychology と Journal of Scientific Exploration が、結果の前の計画書だけの論文を受け付けるか確かめる
- 6. 著者名と所属、お金の出どころを書く
- 7. 参考文献を、元の論文と照らし合わせて確かめる
参考文献
英語版と同じです。記憶で書いたので、元の論文とまだ照らし合わせていません(上の7)。
- Bösch, H., Steinkamp, F., & Boller, E. (2006). Examining psychokinesis: The interaction of human intention with random number generators — A meta-analysis. Psychological Bulletin, 132(4), 497–523.(380の実験をまとめた研究)
- Jahn, R. G., Dunne, B. J., Nelson, R. D., Dobyns, Y. H., & Bradish, G. J. (1997). Correlations of random binary sequences with pre-stated operator intention: A review of a 12-year program. Journal of Scientific Exploration, 11(3), 345–367.(PEAR の12年間の実験)
- Jahn, R., Dunne, B., Bradish, G., Dobyns, Y., Lettieri, A., Nelson, R., et al. (2000). Mind/Machine Interaction Consortium: PortREG replication experiments. Journal of Scientific Exploration, 14(4), 499–555.(3つの研究所でのやり直し)
- Maier, M. A., & Dechamps, M. C. (2018). Intentional observer effects on quantum randomness: A Bayesian analysis reveals evidence against micro-psychokinesis. Frontiers in Psychology, 9, 379.(効果はないという結果の大きな実験)
- Radin, D. I., & Nelson, R. D. (1989). Evidence for consciousness-related anomalies in random physical systems. Foundations of Physics, 19(12), 1499–1514.
- Storey, J. D. (2002). A direct approach to false discovery rates. Journal of the Royal Statistical Society: Series B, 64(3), 479–498.(魔力持ちの割合の計算に使う方法)
- OpenTimestamps(ビットコインへの刻印に使うしくみ) https://opentimestamps.org